— 特徴・メリット・注意点をわかりやすく解説 —
- フラット35とは
- フラット35が選ばれる理由
- フラット35の技術基準(新築・中古共通)
- フラット35Sとは(概要)
- フラット35Sの金利優遇プラン
- フラット35Sの技術基準(分野別の詳細)
- フラット35とフラット35Sの違い
- 実際にどう使われている?活用シーン
- まとめ
1. フラット35とは
フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する、最長35年の全期間固定金利型の住宅ローンです。借入時に決まる金利が完済まで変わらないため、長期にわたり安定した返済計画を立てられることが最大の特徴です。
新築・中古ともに利用でき、土地取得とセットで建築する「注文住宅」でも利用可能です。
2. フラット35が選ばれる理由
● 全期間固定金利の安心
金利が上昇しても返済額は変わりません。将来的な教育・老後資金などの見通しが立てやすくなります。
● 保証料・保証人が不要
一般的な銀行ローンでは必要となる保証料(数十万円)が不要です。
● 団体信用生命保険(団信)も加入可能
別途保険料を支払うことで団信に加入でき、万一の際も返済リスクを軽減できます。
● 住宅の基本性能が担保される
利用する住宅は一定の「技術基準」を満たしていなければならず、購入者は安心して住宅の質を確認できます。
3. フラット35の技術基準(新築・中古共通)
フラット35は、一定の住宅性能を満たすことが利用条件になっています。
主な基準は次のとおりです。
▼ フラット35の主な技術基準
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| 床面積 | 一戸建て:70㎡以上 / 共同住宅(マンション):30㎡以上 |
| 住宅の構造 | 建築基準法に適合していること |
| 耐久性・劣化対策 | 劣化対策(基礎・床下・腐朽対策など)の基準を満たすこと |
| 断熱性 | 断熱材・開口部(サッシ)などが規定の断熱性能を満たすこと |
| 維持管理性 | 給排水管が点検・交換しやすい構造であること |
| 敷地条件 | 道路に2m以上接しているなど、居住に適した環境であること |
これらの基準は、新築・中古どちらの場合も必要になります。
4. フラット35Sとは(概要)
フラット35Sは、フラット35の中でも より質の高い住宅を建てる・買う人向けに、金利を一定期間引き下げる制度 です。
対象となる住宅は「省エネ性」「耐震性」「バリアフリー」「耐久性・可変性」など、住宅の質がフラット35よりも高いことが求められます。
5. フラット35Sの金利優遇プラン
フラット35Sには、2つの金利優遇プランがあります。
| プラン | 金利引下げ幅 | 優遇期間 | 対象となる住宅性能 |
|---|---|---|---|
| Aプラン | 年▲0.25% | 10年間 | 高い省エネ性能 / 耐震等級3 / 長期優良住宅 など |
| Bプラン | 年▲0.25% | 5年間 | 省エネ基準適合 / 耐震等級2 など |
性能が高いほど「Aプラン」に該当し、より長い期間の金利優遇を受けられます。
6. フラット35Sの技術基準(分野別の詳細)
フラット35Sは、次の4分野のいずれかで高い基準を満たす必要があります。
■ ① 省エネルギー性
例えば以下のいずれかを満たす場合に対象となります。
- 断熱等性能等級5以上
- 一次エネルギー消費量等級6
- 認定低炭素住宅
- ZEH水準相当の省エネ性能
→ 省エネ住宅を建てる注文住宅では最も選ばれやすい基準です。
■ ② 耐震性
- 耐震等級「3」
- 免震構造の住宅
→ 地震の多い地域では非常に評価されやすい区分です。
■ ③ バリアフリー性
- 高齢者配慮対策等級4以上
- 共同住宅の場合は専有部分が等級3以上でも可
→ 将来を見据えて計画する注文住宅で利用されるケースがあります。
■ ④ 耐久性・可変性
- 長期優良住宅
- 劣化対策等級3+維持管理対策等級2以上
→ 長く住む前提の住宅には大きなメリットがあります。
7. フラット35とフラット35Sの違い
| 項目 | フラット35 | フラット35S |
|---|---|---|
| 金利 | 固定金利(標準) | 当初期間のみ金利引下げ(A・Bプラン) |
| 住宅性能 | 基準を満たせば可 | さらに高い性能が必要 |
| 利用条件 | 広く利用可能 | 住宅品質が高い場合のみ利用可能 |
| メリット | 返済安定・審査が比較的緩やか | 返済負担を軽減できる(最大10年間) |
8. 実は技術基準適合の証明に使われている
■ 注文住宅の場合
- ZEH水準や長期優良住宅として設計すると フラット35S(Aプラン)が狙える
- 断熱性能を少し上げるだけで対象になるケースも多い
- 金利優遇を見越して「建物仕様のランクUP」を提案しやすい
■ 分譲住宅(建売)の場合
- 分譲住宅側で「フラット35S対応」をうたうことで販促効果が高い
- ZEH水準・耐震等級3など、性能表示を明瞭にできるため信頼度が上がる
- 購入者にとって、最初の5〜10年の金利負担軽減は非常に大きい
■ 中古住宅の場合
- インスペクション・省エネ改修により35S対応になるケースあり
- 近年はリフォーム一体ローンと組み合わせる活用が増えている
9. まとめ
フラット35は、全期間固定金利で返済計画が立てやすく、住宅の取得において多くの家庭が選ぶローンです。
さらに、住宅の性能を高めることで利用できる「フラット35S」は、当初の金利が引き下げられるため、総返済額を大きく減らすことができます。
省エネ・耐震・長期優良など、住宅の性能が高いほど優遇が大きくなるため、住宅の品質向上と資金計画をセットで考える時代 といえます。
注文住宅・分譲住宅どちらでも活用しやすい制度なので、建物仕様を検討する早い段階から、フラット35/35Sの適用可否を確認しておくことが重要です。